『スパイダーマン:スパイダーバース』考察 不完全なスパイダーマンが、○○を受け入れて真のスパイダーマンになる物語(ネタバレ注意)
今回の映画は『スパイダーマン: スパイダーバース』
この映画って話もさることながら映像がすごいのね。
吹き出しとかトーンのコミックの表現が落とし込まれた映像、ヌルヌルじゃないけど滑らかな動き、キツイけど不快じゃない色使い。
そこにさらにエエ話が乗っかって、無敵ってワケ。
ほんといい映画だったヌン。
・・・みたいに気取ったことを言ってますが、今回も平常運転ペラペラ進行でいってまいります。
ただ、今回からは最後に感想じゃなくて、映画から見出した教訓みたいなことを書いて行こうと思います。
私がビチャビチャっとした感想書くよりかはタメになりそうだしね。
では、さっそく・・
『スパイダーマン: スパイダーバース』を一言で表すと
不完全なスパイダーマンが、運命を受け入れて真のスパイダーマンになる物語である
受け入れなければならない運命とは何なのか・・・。
その運命は食べると『ウンメェ~』って言えるようなものなのか・・・。
そもそも食べられる物なのか・・・。
1.不完全なスパイダーマン
主人公のマイルスはエリート高校に通っていますが、馴染めない学校から抜け出すためにわざとテストを全問間違える、つまり全問正解できることから、同年代の学生より知力がずば抜けていることがいえます。
さらに、蜘蛛に噛まれたことによって、スパイダーマンの基本的な能力に加えて電撃や透明化など、他のスパイダーマンには無い特殊能力を得ます。
さらにさらに、目の前で殺されてしまったピーター・パーカーからメモリースティックを託されたことによって使命感に燃えています。
ですが、その能力を使いこなすことができず、殴る蹴るといった暴力に抵抗を感じることが災いし、別の次元から来たスパイダーマンのように活躍することができません。
これらの描写から人並外れた知力+スパイダーマンの基本以上の能力+使命感があにも拘らず、他のスパイダーマンと同じように活躍できないことが語られています。
2.覚悟、悲劇、愛
そんなマイルスがスパイダーマンとして覚醒するためには以下のような、経験が必要であることが描かれています。
覚悟
ピーター・パーカーは死んでいて、別の次元のスパイダーマン達は今いる次元に長くいると死んでしまうため加速器を止める前に元の次元に帰らなければならない。つまり、この次元で最終的に加速器を止めてニューヨークを救えるスパイダーマンはマイルスしかいない。
悲劇
慣れない学校生活やギクシャクしていた両親と違い、素の自分を出して接することのできる唯一の存在であったアーロンおじさんは敵であり、さらに自分を殺すことをためらったために殺されてしまう。
愛
他のスパイダーマンのように活躍できず、さらに最も慕っていたアーロンおじさんを失ってしまい学生寮でふさぎ込んでいたマイルス。
そこに父親が訪ねてきて、弟(アーロンおじさん)を失った自分にはマイルスが必要であると扉越しに語ります。
父親の弱さを見たことによって、今後は父親と自分が支え合って生きていかなければならないと感じたマイルスは、序盤は一方的だと感じていた父親の愛を受け入いれました。
これらの経験を経ることによってマイルスはスパイダーマンとして覚醒し、最後の最後で他のスパイダーマンのように活躍できるようになりました。
また、これらの経験は別の次元から来て、それぞれ特徴が異なっているスパイダーマンにも共通した経験であるということが、自己紹介やマイルスを励まそうとするシーンにおいて明かされています。
つまり、完全なスパイダーマンとして覚醒するためには、能力ややる気といった小手先の変化では不十分であり、覚悟、悲劇、愛という人生における重大な経験をしなければならないということが語られています。
ちょっと残酷ですね。
3.運命を受け入れろ
スパイダーマンとして覚醒していても、活躍できなければヒーローではありません。
マイルスはスパイダーマンとしての運命を受け入れることによって、自分の住む次元を救い、先代スパイダーマン(ピーター・パーカー)の敵を討ち、別の次元のスパイダーマンをそれぞれ元に戻すという大活躍によって、新たなヒーローとして受け入れられました。
同時に、マイルスにはその次元のヒーローとして、これからも活躍し続けなければならないという責任を負うことになったのです。
大いなる力には、大いなる責任が伴う。
主人公のマイルスは映画の終盤で誰もがスパイダーマンになれると言っていました。
ですが、映画のテーマとしては、スパイダーマンというヒーローになるためには特殊な能力+人生において乗り越えなければならない壁がいくつもあるという、残酷な運命について語られているように感じました。
食べるとマズそうな運命でしたね。
ただ、そこがいいんですけどね。
以上!!
4.教訓
『世の中を守るヒーローとして一人前になるには、決死の覚悟、身近な人からの愛、そして大切な物を失った悲しみから再び立ち上がることが必要である。』
結構キビシー教訓ですね。
これがヒーローの定義だとしたら、ボクチンは悪者に最初にハッ倒されるNerdみたいな人間ですからァ・・・。
残念!!
ヒーローよりもヒロインになって守られたい斬り!!ジャジャーン♪
あ、でも、この映画に守られるようなヒロインいなかったよな。
それじゃあ。